睡眠障害
不眠症とは?
不眠症は、「十分な睡眠が取れず、生活や心身に何らかの支障を及ぼしている状態」です。具体的に「何時間以上眠れなければ不眠症」「特定の症状がおこらなければ不眠症とは言えない」というわけではなく、本人が「十分に眠れていないと感じて困っている」なら不眠症と判断されます。ただ、睡眠が十分にとれていない原因が多忙など「寝る暇がない」ことによるなら不眠症とは言えず、それは「睡眠不足」ということになります。
不眠症は、「眠ろうとしているのに、上手く眠れなくなった」「寝る時間はあるのに、自分で望むような睡眠が取れなくなった」 「特別な要因が見当たらないのに、最近眠れなくなった」などと感じて困っている状態を指しています。
不眠症の4つの症状
不眠症の症状は人によって様々ですが、よく見られる症状を大きく分けると4つに区別できます。
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入眠障害 (なかなか寝付けない)
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中途覚醒(途中で何度も目が覚めてしまう)
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早朝覚醒(早朝に早く目が覚めてしまう)
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熟眠障害(ある程度眠ってもぐっすり眠れたという満足感が得られない(休養感)が得られない)
これらの症状は1つに限られるわけではなく、合わさっていることも少なくありません。
不眠症の基準
睡眠障害国際分類(ICDS)という診断基準があります。
その中では不眠症の診断基準として、以下のように定められています。
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睡眠の質に対する訴えがあること
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訴えは適切な睡眠環境下においても生じていること
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以下の日中の機能障害が少なくとも1つ認められていること
①倦怠感や不定愁訴
②集中力や注意、記憶の障害
③社会的機能の低下
④気分の障害や焦燥感
⑤日中の眠気
⑥動悸や意欲の障害
⑦仕事中や運転中のミスや事故の危険
⑧睡眠不足に伴う緊張や頭痛、消化器症状
⑨睡眠に関する不安
不眠症の治療方法
不眠症の治療は、そのタイプによって対応が異なります。多くの場合は一時的に睡眠薬を使うことが多いですが、症状によっては他の薬の使用が向いていたり、薬を使わない治療もあわせて行っていくこともあります。
睡眠薬については昔の悪いイメージが残っている方も多いようですが、現在病院で処方されている睡眠薬は非常に進化しており、比較的安全性も高く、様々なタイプの睡眠薬があります。
不眠症の心理療法
不眠症の治療には何らかの薬を使っていくことが多いですが、薬以外の心理療法やリラクゼーション法などを併用していくこともあります。
心理療法を行うことで薬の量が減らせたり、不眠症の再発を予防したりする効果が期待されます。
睡眠の心理療法を行うにあたっては、睡眠日誌をつけていくことが多いです。