​発達障害

発達障害とは?

 最近何かと耳にする発達障害。皆さんは発達障害がなにかご存じでしょうか?

 発達障害とは、多くの精神障害にも当てはまりますが、脳機能に問題がある障がいのことで、環境的要因、遺伝的要因などがあげられます。しかし具体的な原因などはまだ明らかになっていません。また発達障害は、早期発見・早期対処を行えば二次的障害を防ぐことができるため、早めの行動がとても重要になってきます。おかしいなと感じたら早めの医療機関受診や各相談機関への相談をおすすめします。障害を持つことは恥ずかしいことでもやましいことでもありません。障害とはありますがその子の個性なのです。もちろん、苦手なことはありますが、普通よりも突出した能力があります。うまく個性をのばせれば素晴らしい才能に気付けるでしょう。また、発達障害は※ASD(自閉症スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(限局性学習症)に分けられます。以下ではそれぞれについて詳しく述べていきます。

(※本文章ではカナー型について言及していません。)

 

ASD(自閉スペクトラム障害)

 行動や興味、そして対人コミュニケーションに特徴があります。行動や興味について、自分で決めたルールややり方(儀式)にこだわったり、極めて限定的な興味を示し、そのために周りの声が聞こえなくなったり、また感覚がとても敏感だったりします。例として、必ず同じ道順を通って帰らないとかんしゃくを起こす、大きな音を聞かないように耳をふさいでいるなどがあげられます。

 対人コミュニケーションについて、人と目が合わせられない、ほかの子どもと関われないなどがあげられます。しかし、個人で多様な症状があるのでこれと決めつけるのではなく詳しくは医師に相談しましょう。

 

ADHD(注意欠陥・多動症)

 多動性・衝動性、不注意といった特徴があります。また、どちらか一方または両方を持つことが診断基準になります。

多動性・衝動性について、落ち着いて席に座っていられない、人の会話に割り込む、などがあげられます。

 不注意について、普通はしないようなケアレスミスを繰り返す、忘れ物が多い、順序だてて物事をこなすのができないなどがあげられます。

 

LD(限局性学習症)

知能検査の項目に偏りがあり、読む・書く、聞く・話す、計算する・推論することのどれかが非常に困難であるという特徴があります。決して本人は勉強を怠っているのではなく、脳の障害のために起きる現象です。勉強ができないことで自己肯定感の低下につながるケースが多いので、できることにも目を向けて接してあげることが大切です。

 

発達障害の治療方法

服薬、そして対応策を日常生活に組み込んでいくことが治療になります。薬で症状を抑えるのはもちろんですが、自分の発達障害の持つ個性・苦手・得意をまずは自分自身が理解して、傾向に合わせて対策をしていくことが大切です。以下ではその対策の一例を挙げていきます。

●ヒント1 見通しの立つ環境に 『時間と手順の見通し』

  • 想定外のことや慣れない状況が苦手なケースがあります。

  • できる限り、予定や手順に見通しをつけると安心です。落ち着いて仕事ができる場合があります。

  • 日課や流れは、目で見てわかるように、例えば、絵や写真カードで示したり、文字にしたりすることも良いです。

  • 見通しがつかない部分は、「ここは未確定」として理解しておきましょう。

  • 特に活動の「終わり」を明確にしておくと安心することがあります。例えば、「〜時まで」「終わりはここまで」のようにしてから始めると良いです

●ヒント2 場所と意味を一致 『簡略化』

  • 例えば、ベットの上は「寝る」場所、この部屋は「食事をする」などのように、場所と活動をできるだけ一対一にしておくと安心です。

  • 場所、時間、やることなどは、区切る、小分けにする、分割することを意識しましょう。気持ちの切り替えにもなります。

●ヒント3 『時間を区切る』

 手を抜いたり、融通を利かせて作業をおこなうことが苦手なことが多いです。完璧に取り組みすぎて、かえって疲れてしまうことがあります。例えば、短めに働くように休憩を小まめにとったり、時間を決めて行うことを意識することで、安定して長く取り組めるようになる場合があります。

●ヒント4 こだわりを緩めましょう 『こだわりにこだわり過ぎない』

  • 自分独自のルール、信念を貫こうとし過ぎる場合があります。ルールに縛られることで、(※)気持ちがイライラしたり、落ち込んだり、孤立してしまうこともあります。

  • こだわる良さもありますが、時にはずれたり、乱れたりするものです。ものごとがルール通りに運べないことも理解しておくことが大切です。

(※これらはデパスというお薬で和らげることが可能です。)

●ヒント5 感じ方を和らげましょう 『感覚過敏への対策』

 五感が鋭敏すぎる場合があります。生活場面は、何かと刺激が多くてストレスになりやすいものです。
例えば、ざわざわしたところで不安になったり、相手の話を聞き取れなかったり、パソコンの画面に疲れやすかったりします。相手の声以外の周囲の雑音も耳で拾ってしまう傾向がある場合は、イヤホンで弱い音楽を聞いたり、耳栓などを利用する方法もあります。パソコンや蛍光灯の光が苦手な場合は、専用眼鏡やサングラスを利用すると落ち着くこともあります。
 完全に避けることはできないため、徐々に慣れていくようにすることも大切です。

 

発達障害について、ただ一つ言えるのは決して親御さんの育て方が悪かったから、またお子さん自身が悪いのではないということです。また、本人や周りの人が気付いてあげないと、その「ちょっと変わった子」「ちょっと忘れ物が多い子」などよくありがちな性格としても見えてしまう特徴ゆえに、なかなか気が付かないことがあります。学校生活では困らなかったが社会人になり責任のある立場になると状況は一変し、生きづらさを抱え不安・抑うつの原因になることもあります。もしも、今生きづらさを感じていたらその原因は発達障害にあるかもしれません。おかしいなと思ったら、早めの受診・相談をお勧めします。

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