​うつ病

 何らかの原因で脳内の神経伝達物質の働きが悪くなることで発病します。憂うつな気分が二週間以上続いていることが診断の目安となります。躁状態を繰り返す双極性障害の可能性もあるので診断は慎重に行います。また、うつ病といっても大きく分けて二種類あります。ひとつは、みなさんがイメージするような元気がなくなり夜は眠れず食欲もない…これが「定型うつ病」と呼ばれる症状です。もうひとつは、気分が落ち込んだりするがいいことがあると元気になったり、むしろ過食や過眠傾向になったりする…これを「非定型うつ病」と呼びます。症状が異なりますが、どちらがより辛いということはなく、両者ともに日常生活を送るうえで悪影響が出る病気です。以下それぞれの特徴について詳しく説明していきます。

 

定型うつ病について

 精神的な症状(気持ちの落ち込み、無気力・無感動、物事への興味関心の減退、思考力や集中力の低下など)だけでなく、身体的な症状(食欲減退、不眠や早朝覚醒、倦怠感、疲労感、頭痛、肩こりなど)も現れます。

 

非定型うつ病について

 ここ数年で特に20から30代の女性に増えています。定型うつ病の反対のような症状が現れます。精神的な症状(良いことがあると気分が良くなるが夕方に悪化、好きなことには活動する元気が出る、他人を責める、衝動性やイライラが出現など)に加えて、身体的な症状(食欲増加、夜中に目が覚めてしまうが一日単位でみれば過眠傾向になる、強い疲労感、他人の顔色がとても気になるなど)が現れます。

 

共通する症状①不安・抑うつ発作

 また、どちらにも共通して気分が悪化するときがあります。何か特別な仕事をしていたり、不安や悲しい考えに浸っていたりするわけではないのに、理由なく突然、激しい不快な感覚(不安・焦燥、うつ気分、絶望感)などが襲ってきます。部屋に一人でいる状況で起こることが多いです。

 

共通する症状②フラッシュバック

 上記の気分の悪化の後すぐに、自分の意思とは関係なく、過去の嫌な思い出が次々と出てくることがあります。人前で恥をかいたり、職場で叱られたり、親から虐待を受けたりといった小さなトラウマが主題となることが多いです。一度の発作に種々なテーマの記憶が思い出されることもあります。また、このフラッシュバックに対してひどく辛い思いに襲われ、いらいらしたり、腹を立てたり、情けなく感じ、心を持っていく場所がなく当惑します。

 

共通する症状③対処行動

 この辛い状態に何とか対応しようとして、人によって様々な対処行動がとられます。泣き寝入り、知り合いへの連絡、リストカットなどの自傷行為、酒・タバコ・睡眠薬などの乱用、ヒトやモノに攻撃性を向ける、不要なものを大量に買い込む、ゲームに熱中する、出会い系サイトに連絡するなどです。

 

主な治療法

大きく分けて、薬物療法、認知行動療法、生活リズム改善、マインドフルネスなどがあげられます。大事なのは、自分の症状を知ること、薬を指示通り飲み続けること、規則正しい生活リズムを守ること、日常生活でできる発作の対処療法を学ぶことです。また先生や心理カウンセラー任せではなく患者さん自身のの病気を治す意思が必要不可欠です。

 

 このようにうつ病とは、日常生活に支障をきたし、また心は他人から見えないのでSOSが周りに気付かれにくいとても大変な病気です。「私は大丈夫。」「自分が精神病だなんて。」と思わず、心に不調を感じたら、すぐに休息を取ったり、カウンセリングや医療機関を受診しましょう。なによりも大切なのは、頑張ること我慢することではありません。自分の命なのです。また、誰のせいでこうなったのかと原因探しをするのには意味がありません。様々な要因や環境が影響するからです。原因探しをするのではなく、今目の前にある症状と向き合っていくことが大切です。

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